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都心アクセス道より、災害復旧支援を

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池田ゆみホームページ 

胆振東部地震による月寒東3条19丁目サニータウンの被害 


第1回説明会(2019/3/30)

 昨年9月の胆振東部地震では、月寒東3条19丁目のサニータウンでも地盤に段差、亀裂が生ずる被害が出ました。 原因をさぐるため、昨年末から、地質のボーリング調査が行われてきましたが、3月末にその結果も含め、当該地域に対し、説明会が開催されました。 その資料を基に、当該地域の被害状況と、調査結果について概要をお知らせします。
 被害状況、造成前の航空写真についてはこちらをご覧ください。


                                   吉田川対岸から見たサニータウン


1.宅地造成の概要

 開発者:三井不動産 1979年12月完了。宅地造成前は、台地と低地(水田)からなる地域で、台地部を切土しその土を低地部に盛土して造成。盛土は厚いところで8m。 切盛境は地すべり防止のため、段切を行い施工。

 吉田川公園側からの沢水は、開発地と吉田川公園の間に開渠施行して吉田川に流した。その後公園造成時に開渠は暗渠とされた。



2.被害の概要

 段差等の道路被害は19箇所。下水管の破断、暗渠管の変形も生じた。
 住宅危険度判定による住宅被害は31件、うち9件が危険と判定。
 住宅の被害は、切盛境と吉田川に近い場所に集中。

3.ボーリング調査、周辺測量

 ボーリング調査は19地点で実施。地質、地盤強度、地下水位等を調査。
 液状化に関係する地下水位は、地表からおおよそ1〜4mの範囲にあり、標高の低いところほど地下水位が高い傾向にあった。
 液状化危険度について、住宅地内の12地点について、国土交通省の計算ソフトを使って判定。液状化危険度は、高い〜かなり低いの判定結果。
 ボーリング調査では、火山灰の盛土層の下に粘土層があり、計算では火山灰層の地下水位が1m下がると地盤が1cm沈下する可能性がある。
 サニータウン周辺の街区基準点の変化を見たが、地震後の変化は見られなかったので、地盤の変化はここだけの現象と見られる。


4.被害の原因

 地下水位の高い部分(吉田川に近い部分)は液状化が主な原因と見られる。
 地下水位の低い部分は切盛境の地盤強度の違いによる沈下が主な原因と思われる。

   なお、今後の復旧計画、支援について説明会では、
 1)市として今年度の復旧工事予定として、下水の復旧工事、水道の耐震化、吉田川第1排水(暗渠管)の復旧工事を予定している。
 2)個人の住宅・宅地の補修・再建については、「各種支援金や貸付金などを活用し、個々に進めることが国における災害復旧の原則。市独自の被災者救済、支援策として、宅地の復旧工事等に要する費用について、対象工事費から50万円を引いた額の1/2(上限200万円)を補助する」 との説明がありましたが、法面の復旧等多額の経費がかかり、さらなる支援が必要です。


第2回説明会(2019/6/6)

 月寒東3条19丁目サニータウンの震災に関する第2回目の説明会が6月6日行われ、都市局市街地整備部、建設局市街地復旧推進室などから担当者が出席して、前回の説明会で出された質問に対する説明と質疑応答が行われました。


1.開発行為の適法性、市の責任について

 都市計画法第30条(開発許可の手続き)に基づき1978年9月26日許可。
 同36条(工事完了の検査)に基づき、1979年12月21日検査済証を交付。
 札幌市の立場としては、「都市計画法に適合していれば、開発行為の許可をしなければならない。また、当該工事が開発許可の内容に適合していると認めた時は検査済証を施行者に交付しなければならない」として、当時の審査基準のもとで許可したとしました。
 参加者からは、「市としての判断に間違いがあったのではないか、責任を感じないか」「今後何年も安心して住めるよう、宅地を元に戻してほしい」との意見が出されました。


2.宅地造成前後の水路の問題について

 宅地造成前にあった水路は造成によりなくなり、吉田川公園方面からの水は造成地と吉田川公園の間に設けられた水路によって吉田川に流されることとなりました。

 盛り土施行時には配水用として暗渠管が埋設されましたが、これが現在どうなっているかについてはわからないということでした。 また、現在もあったとしても地下水位より低い位置にあるので、暗渠管として機能していないとの説明がありました。

 参加者からは、もともと水田であった所を埋め立てし、水路も埋め立てられたが、地下で水の流れが戻っているのではないかとの質問が出されました。市からは、「これから3か月くらいかけて地下水の調査をする。その結果をみないとわからない」との回答でした。


3.復旧に関する基本的考え方、今後の対策

 清田区の里塚のように、宅地の復旧も市でできないかとの質問については、「里塚の場合は周辺の宅地も復旧しないと道路が復旧できないことから、地下水位より下の部分を市で改良する。 上部は各自の負担となる。被害を受けた財産は、所有者が再建することが基本。他の地域では里塚のような対応は取らない」との説明でした。
 今後の対策としては、「地下水の流れを把握するとともに、切盛境での被害について、東日本大震災、熊本地震でも同様の被害が発生しているので、その被害事例も参考にしながらメカニズムを明らかにし、公共施設(道路など)の対策を行っていく」との説明がありました。


<第3回説明会(2019/10/8)>

 月寒東3条19丁目サニータウンの震災に関する第3回目の説明会が10月8日行われました。当日の資料をもとに、概要をお知らせします。

 昨年度のボーリング調査に続いて、引き続き地下水位の調査及び、人工的に地盤を振動させ、地盤に伝わる波を測定し、地盤の硬さを把握する表面波探査が行われました。


1.調査結果から

 1)吉田川に近い所で地下水位が高い。
 2)現在の地形に沿って地下水が流れており、一部流れの速いところがある。
 3)切盛境界部で、盛土と切土で地盤の強さに差がある。
 4)盛土箇所は比較的緩い地盤となっている。


2.被災のメカニズム

 1)地震時の加速度を清田消防署で観測された278ガルで計算し、再判定した結果、液状化が発生したものと判断される。
 2)地下水が高いエリアで液状化が発生し、抵抗力が弱まることで、下方への変位が生じる。


 3)切盛境界部では、盛土部の方が地山部に比べて、地震動が増幅しやすい。
 4)盛土部は比較的緩く、地震時に盛土と切土の堆積圧縮差が発生。 
 5)まとめ
   @吉田川付近における被害は地盤の液状化。
   A傾斜地の盛土部では、地下水位の高い箇所の地盤の液状化により、傾斜方向への変位が発生。
   B切盛境界部では、境界部における地盤の挙動の違いにより不等沈下が発生。


3.今後の対策

 1)道路や公園などの公共施設と宅地を含めたエリア全体の地盤安定のため、公共施設において必要な対策を行う。
 2)住宅・宅地の補修・再建については、各種支援制度を活用し個々に進めていただく。
 3)対策
   @吉田川付近における被害: 地下水位低下工法;道路に暗渠管を設置し、地域全体の地下水位を低下させる。
   A傾斜地の盛土部被害: 地下水位低下工法により、地下水位を下げ、下方への変位を抑制する。
   B切盛境界部被害: 道路の採石を厚くしたり、変形を抑制するシートの敷設等の対策を検討。

4.支援メニュー

 札幌市の独自支援策として、地震発生時に住宅の用に供されていた土地について、その所有者等が行う住宅の復旧工事に要する費用の一部を補助する。















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